日記
目をつぶって見える花火が綺麗だから目を開けたくない。ぱちぱちした赤いイナズマと白い光がうようよ動いている。結局目を開けたところでなにもみていないのだからいみがない。
中学生のときすきだったあの人はもうあの人ではなくなってしまったしわたしもあの頃みたいに馬鹿ではなくなってしまった。今も馬鹿馬鹿しい恋愛に夢を見ている阿呆にちがいはないけど。
だいすきだった倫理の教科書をめくっても、あの時夢中になったアリストテレスはなぐさめてくれない。
過去を夢みて眠っても絶望しか夢に見ない。
明日が希望に満ち溢れてなんていませんように。胸焼けがする。 明日が輝かしいものであってほしくない。そんな明日いらない。
もし今までの恥辱も人生も全てなかったことになるとしても希望なんていらない。そんなの私じゃない。
いらない未来を描いて眠る。
夢の中だけでいいから夢を見させてください。夢の中しか帰るところがない。
使い古したタオルをぐしゃぐしゃに濡らして起きた夕方、目やにで目があかなくてまた眠る。
なにも欲しくないけど、誰かを好きでいたいと思った。なんにもあげるものは無いからせめてめいっぱい好きでいたいと思った。好きでいさせてくれるなら正直誰でもいいなと思ってしまった。
誰でもいいなら私にしてよ。そんなつまんないこと二度というなよ。つまらないから。
二度と目覚めたくない。
買い集めたものの山。なにかだったゴミ。ぜんぶおかねだったんだな。
なんのための私。なんのための今日。